
社内Wikiとして使えるOutlineは、公開されているクラウド版の月払い額がチームの人数区分だけで決まります。2026年9月21日に公式料金ページで確認した時点では、1〜10人が月10ドル、11〜100人が月79ドル、101〜200人が月249ドルでした。3つの区分に並んでいる機能の一覧は同じで、値段を動かすのは人数だけです。10人までなら1人あたり月1ドルですが、11人目が入った時点で請求は月79ドル、12か月で948ドルになります。この948ドルを、自分のサーバーで動かす場合の手間と比べれば、クラウドで持つか自前で持つかを決められます。
人数の区分だけで決まる月額
Outlineは、Markdownで文書を書き、まとまりごとのコレクションと閲覧権限で整理するチーム向けのWikiです。米国のGeneral Outline社が提供し、同社が運用するクラウド版と、自分のサーバーへ置く自前運用(料金ページの表記はOn-Premises)の二つの持ち方があります。
クラウド版の料金は3つの区分に分かれています。1〜10人が月10ドル、11〜100人が月79ドル、101〜200人が月249ドルです。料金ページには「年払いも選べる」とだけ書かれていて、年払いの金額と割引率は載っていません。200人を超えるチームは問い合わせになります。
目を引くのは、区分ごとに並ぶ機能欄が同じところです。無制限の文書と版履歴、リアルタイムの共同編集、コメントとメンション、AIによる質問応答、多言語への翻訳、シングルサインオン、20種類以上の外部連携、グループと権限、外部から操作するAPI、セキュリティ監査ログが、10ドルの区分にも249ドルの区分にも並んでいます。上位の区分を買って機能を増やす、という選び方にはなりません。
ここに挙げた金額は、公式の料金ページと公開されているソースコードに出ている表示額です。申込画面へ出る最終的な請求額は、契約前に確かめてください。
無料で試せるのは最初の30日
Outlineには、ずっと使える無料プランがありません。公式のよくある質問には、チームを作ってから最初の30日が無料で、その期間が過ぎると支払い方法を追加するまで文書が読み取り専用になる、と書かれています。裏を返すと、最初の30日はカードを登録しないまま試せる期間です。
読み取り専用になった後も、文書はすべて書き出せると明記されています。合わなければ書き出して別のサービスへ持ち出せますが、権限の設定、添付ファイル、書式がそのまま移るかは移行先ごとに確認が要ります。
30日で確かめるのは、機能の有無より運用の形です。どのコレクションを誰に見せるか、既存の文書をどの粒度で移すか、検索で目的の一文へ届くか。機能一覧は区分をまたいで同じなので、上の区分へ移って使える機能が増えることはありません。検索の効き方や運用の合う合わないは、試用中に自分の文書で確かめてください。
非営利団体と教育機関には、問い合わせで30%の割引があります。
区分の境目で1人あたりの単価が変わる
課金の単位は1人あたりではなく、チームの人数が入る区分です。公式のよくある質問には、プランはチームのメンバー数に基づいて決まり、チームがプランを超えて大きくなると自動的に次の区分へ移る、と書かれています。人が増えると、管理者が手続きをしなくても請求が次の区分へ移ります。
1人あたりの単価は、区分の境目で大きく変わる点に注意してください。10人なら1人あたり月1.00ドルですが、11人だと月7.18ドルです。逆に、同じ79ドルのまま100人まで増やせるので、100人の時点では1人あたり月0.79ドルまで下がります。101人目で249ドルの区分へ入り、200人まではそこで据え置きになります。
区分の上限に近い人数ほど割安で、越えた直後がいちばん割高です。
自分のチームの人数で月額を出す
公表されている月額を、人数ごとに1人あたりと12か月分へ直したものが次の表です。年払いの金額は公式ページにないため、12か月分には月額の12倍を入れました。通貨は米ドルで、税や為替は含みません。
| チームの人数 | 区分 | 月額 | 1人あたり月額 | 12か月分 |
|---|---|---|---|---|
| 10人 | 1〜10人 | $10 | $1.00 | $120 |
| 11人 | 11〜100人 | $79 | 約$7.18 | $948 |
| 30人 | 11〜100人 | $79 | 約$2.63 | $948 |
| 100人 | 11〜100人 | $79 | $0.79 | $948 |
| 101人 | 101〜200人 | $249 | 約$2.47 | $2,988 |
| 200人 | 101〜200人 | $249 | $1.25 | $2,988 |
稟議に出す数字は、表の12か月分をそのまま使えます。年払いで下がる可能性はありますが、割引率が公開されていないので見積もりには入れず、申込画面で確認してください。
自前で動かすときのライセンスと構成
自前運用を検討するなら、先に見るのはライセンスです。公開リポジトリのライセンス文書はBusiness Source License 1.1で、対象はOutline 1.10.1、切り替え日(文書の表記はChange Date)は2030年9月9日、その日以降はApache License 2.0になると書かれています。オープンソースのライセンスではありません。
ライセンス文面が名指しで禁じているのは、Outlineを動かした側が、社外の相手にチームと文書を自由に作らせる商用サービスとして売る形です。従業員と業務委託先が使う社内Wikiは、文面の上ではこの記述に当たりません。自社の使い方が当てはまるかは、法務の確認を挟んでください。
動かすのに要るものは、公開されている設定ファイルの見本から読めます。PostgreSQL、Redis、添付ファイルの保存先(サーバー内のディスクか、S3互換の外部保存サービス)、外から届く公開URL、そしてサインインに使う外部のID提供者が最低1つです。SlackやGoogle、標準的な認証方式であるOpenID Connectを選べます。ID提供者を1つも設定しなければ、起動してもサインインの手段がありません。
公式のホスティング案内は、本番環境で動かすにはサーバーの構築と運用の経験が要ると書いています。自前運用の費用は公開されていないので、サーバー、データベース、保存領域、バックアップ、更新作業の時間を自分で積み上げ、年948ドルや年2,988ドルと比べます。
日本語の表示と支払いで確認すること
公式サイトと料金ページは英語だけです。一方、アプリの表示言語には日本語があり、公開リポジトリの言語ファイルでは、英語の1,920項目のうち1,908項目に訳文が入っていました。自前運用では設定の既定値が英語(en_US)です。社内へ日本語の画面で配るなら、立ち上げる担当者が既定の表示言語を日本語(ja_JP)へ変えます。
料金ページの金額は米ドル表示です。日本円建ての表示や消費税の扱いは書かれていないので、支払い方法を追加する画面で確認してください。
日本語の文書名や固有名詞が全文検索でどう扱われるかは公式資料から分かりません。30日の試用中に実際の社内文書を入れて確かめてください。
クラウドのまま続けてよい条件
先に決めるのは、文書を自社の管理下へ置く要件があるかどうかです。保管場所や監査の条件が決まっているなら、金額に関わらず自前運用が候補になります。料金だけで比べるなら、10人以下のチームは月10ドルのままで十分です。年120ドルに対し、サーバーとバックアップに月30ドルかければ年360ドルになり、担当者の作業時間を数える前に自前運用のほうが高く付きます。
判断が割れるのは11人から100人の区分です。年948ドルから、自前運用のサーバー代とバックアップ代の12か月分を引き、残りを担当者の時給で割ります。出てきた時間より、構築と毎月の更新に使う時間が長ければ、クラウド版のほうが安く付きます。サーバーとバックアップに月30ドルかかるなら残りは年588ドルで、時給30ドルの担当者なら年19.6時間分です。初期構築だけで使い切る規模なら、金額での逆転は起きません。
101人目では1人あたりの単価が0.79ドルから約2.47ドルへ上がり、そこから200人へ近づくほど下がって1.25ドルになります。区分の中で人数が増えるほど割安になるため、この規模では金額だけを理由に自前運用へ移る根拠が弱くなります。
人数が10人と11人のあいだで動くチームは、アカウントの棚卸しを先にしてください。使っていないアカウントを1つ残しているかどうかで、年間の支払いが120ドルと948ドルに分かれます。
同じ分野のサービスを無料条件と課金単位で並べたいときは、社内情報・ナレッジの条件表が使えます。Outline自体の機能と確認済みの条件は、Outlineのサービス詳細にあります。



