
知能圏が持つAIサービス一覧2,500件を2026年9月21日に集計したところ、公式サイトに日本語ページがあるのは484件でした。画像・デザイン・資料と音声・動画の制作では3割近くが日本語で読める一方、発信・読者との接点では13%にとどまります。用途別の件数と、無料プランで試せる代表例、料金条件まで分かっている件数を並べ、英語を読まずに検討を始められる候補の作り方を示します。日本語の入出力品質は別の問題で、今回は確認していません。
2,500件のうち日本語で読めるのは484件
社内へAIサービスを配るとき、最初に止まるのは機能でも料金でもなく言語です。申し込み画面、料金表、使い方の案内が英語だけだと、現場の担当者は最初の登録で手が止まります。管理する側が英語を読めても、使う人が読めなければ運用は始まりません。
知能圏のサービス一覧には、1件ごとに「公式サイトに日本語ページがあるか」を測った結果が入っています。2026年9月21日に2,500件を集計すると、日本語ページありが484件、日本語ページなしが1,757件、取得できずに未確認となったものが259件でした。全体の19.4%が、英語を読まなくても公式サイトの説明にたどり着ける計算です。
判定は推測ではなく取得したHTMLの実測で、2026年9月18日に全件へ実行しました。材料は、日本語版ページの場所を示す hreflang="ja" の指定、ページ自身の言語指定 <html lang="ja">、日本語への言語切替リンク、最終的に到達したURLの /ja/、.jp ドメイン、そして本文に含まれるひらがなとカタカナの数です。漢字は中国語と区別できないため数えていません。この判定だけでは分からないことが多いので、次の節で線を引きます。
日本語ページがあることと日本語で仕事が終わることの違い
484件という数字は、日本語に関する三つの段階のうち、いちばん手前だけを測った結果です。
一つ目は、公式サイトが日本語で読めるかどうか。今回集計したのはここだけです。料金表と機能説明を日本語で読み、社内の稟議資料へ写せます。
二つ目は、製品の操作画面が日本語で表示されるかどうか。公式サイトが日本語でも、ログインした先のメニューやエラー文が英語のままというサービスがあります。逆に、紹介ページは英語でも画面には日本語表示が用意されている場合もあります。今回のデータはこの段階を区別していません。
三つ目は、日本語を入れたときの出力が実用になるかどうか。会議録音の固有名詞、社内文書の専門用語、スライドに載る文字の改行位置、音声の読み上げアクセントは、英語で問題がなくても日本語で崩れます。サービス一覧の各レコードにも「日本語の入力・出力品質、固有名詞、画面表示は実機未検証です」と記録してあり、今回の記事でもこの品質は確かめていません。
そのため、この記事でできるのは候補を絞るところまでです。英語ページしかない1,757件を最初に外し、日本語で読める484件から用途に合うものを残す。そのうえで、最後は自社の原稿と録音で出力を確かめる、という順番になります。日付の扱いも同じで、484件は2026年9月18日から9月21日にかけての状態です。海外サービスは日本語ページを追加することも取り下げることもあるため、時間が経つほど数はずれていきます。
用途別の件数と無料で試せる代表例
12の用途に分けると、日本語で読めるサービスの厚みは用途ごとに2倍以上違いました。下表の「無料プランあり」は、期間限定の試用ではなく継続して使える無料枠が確認できた件数です。代表例は、料金の課金単位が汎用の定型文ではなく具体的に記録されていて、無料プランがあるレコードから選びました。括弧内は、そのサービスの内容と料金を確認した日です。
| 用途 | 日本語ページあり | カテゴリ全体 | 無料プランあり | 無料で試せる代表例(確認日) |
|---|---|---|---|---|
| 画像・デザイン・資料 | 66 | 228 | 26 | Canva(2026年9月5日)、イルシル(9月7日)、Pixelcut(9月11日) |
| 音声・動画の制作 | 65 | 227 | 27 | Microsoft Clipchamp(2026年9月5日)、Runway(9月5日)、NoLang(9月7日) |
| 開発・コード | 45 | 228 | 14 | GitHub Copilot(2026年9月5日)、Codex(9月5日)、Autify(9月7日) |
| 業務の自動化 | 41 | 224 | 4 | Zapier(2026年9月5日)、Yoom(9月7日)、Automation Anywhere(9月17日) |
| 社内情報・ナレッジ | 38 | 205 | 7 | Notion(2026年9月5日)、Gemini Notebook(9月5日)、ChatSense(9月7日) |
| 会議・議事録 | 37 | 178 | 19 | Otter.ai(2026年9月5日)、Notta(9月5日)、LINE WORKS AiNote(9月7日) |
| 文章・翻訳 | 36 | 194 | 16 | DeepL(2026年9月5日)、PLaMo翻訳(9月7日)、Shodo(9月7日) |
| Web情報の収集 | 34 | 215 | 8 | Octoparse(2026年9月5日)、Thunderbit(9月7日)、Outscraper(9月11日) |
| AIへの相談・調査 | 34 | 208 | 15 | ChatGPT(2026年9月5日)、Felo(9月7日)、Rakuten AI(9月7日) |
| 問い合わせ対応 | 32 | 188 | 3 | Crisp(2026年9月5日)、IVRy(9月7日)、Jira Service Management(9月11日) |
| 営業・顧客管理 | 30 | 204 | 5 | HubSpot Sales Hub(2026年9月5日)、Hunter(9月5日)、Bitrix24(9月11日) |
| 発信・読者との接点 | 26 | 201 | 7 | Substack(2026年9月5日)、SocialDog(9月7日)、Benchmark Email(9月11日) |
代表例は用途を示すための例で、その用途の最適解という意味ではありません。Gemini Notebookは、Googleが提供する資料読み込み型のAIノートで、以前のNotebookLMにあたります。Codexは、OpenAIが提供する開発作業の委任先で、ChatGPTの契約枠から使います。Autifyは、日本のAutifyが提供するソフトウェアテストの自動化サービスです。
日本語の入口が厚い用途と薄い用途
上位2つは、画像・デザイン・資料の66件(28.9%)と、音声・動画の制作の65件(28.6%)です。どちらも個人や小さなチームが自分で申し込む場面が多く、無料プランの件数もそれぞれ26件と27件で最多に並びます。稟議を通す前に、担当者が自分の素材を入れて確かめられる用途だと言えます。
下位は、発信・読者との接点の26件(12.9%)、営業・顧客管理の30件(14.7%)、Web情報の収集の34件(15.8%)です。メール配信や顧客管理には、地域ごとの法規制、配信停止の扱い、既存の顧客データベースとの接続が絡みます。ここからは筆者の見立てですが、海外サービスが日本の利用者向けに日本語ページを先に用意する動機は、この分野では弱いでしょう。日本語で読める候補を探すより、英語の管理画面を社内の1人か2人に任せ、現場へは結果だけを渡す分担の方が現実的です。
無料プランの件数で見ると、用途による差はもっと開きます。問い合わせ対応は日本語ページありが32件あっても、継続して使える無料枠が確認できたのは3件、業務の自動化は41件中4件です。どちらも法人契約と個別見積が中心の分野で、試用の申し込みに会社名と担当者の連絡先が要ります。担当者が一人で試して判断できる用途と、最初から会社として問い合わせる用途は、進め方を分けた方が早く進みます。
国内サービス29件と海外サービスの日本語版455件
484件のうち、日本の会社が提供するサービスは29件、残り455件は海外サービスの日本語ページです。この29件は全件が日本語ページを持っています。
国内サービスは、日本語で書かれた文章を前提に作られている点が違います。文章・翻訳のPLaMo翻訳は、公式料金ページによると無料プランが0円で、ブラウザ翻訳が月20万文字まで、テキスト翻訳が月5万文字まで、ファイル翻訳が月1件です。日本語の文章校正のShodoは、ベーシックが税込0円で永年無料、AI校正は1回1万文字まで、週ごとの利用回数に制限があります。どちらも2026年9月21日に公式料金ページで確認しました。
資料作成のイルシルは、無料プランでAIデザイン生成が月3枚、かんたんレポート生成が月3枚まで、保存できるのは3プロジェクトまでで、PDFとPowerPointへの書き出しは有料プランからです。動画制作のNoLangは、無料プランが0円で動画生成が月3回、編集とダウンロードは制限なしと記載されています。いずれも社内で回覧する前に、担当者が自分の原稿で1本作って見せられる範囲です。
会議・議事録は国内サービスが多い用途で、LINE WORKS AiNote、AutoMemo、toruno、Otolio(旧スマート書記)、Rimo Voiceが並びます。日本語の会議音声を前提に設計されている点は有利ですが、参加者名や社内の略語をどこまで拾うかは製品ごとに違うため、実際の会議音声で比べる必要があります。
海外サービス455件の日本語ページは、翻訳の範囲がそろっていません。料金表と機能紹介だけ日本語で、使い方の案内とサポート窓口は英語という構成が普通です。社内へ配るときは、申し込みからよく使う操作までの画面を担当者が一度通しで見て、日本語が途切れる場所を書き出しておくと、問い合わせが来てから慌てずに済みます。
料金の条件まで分かるのは484件中300件
日本語ページがある484件のうち、無料プランなのか試用なのか有料のみなのかを確認できているのは300件です。内訳は、継続して使える無料プランが151件、期間限定の無料試用が121件、有料のみが16件、ソフトウェア本体は無料で運用費が別にかかるものが12件。残り184件は料金タイプが未確認で、公式の料金ページを開いて自分で確かめる段階にあります。
課金単位の記録も同じように途中です。484件すべてに課金単位の欄はありますが、そのうち具体的な単位が書かれているのは314件で、170件は「料金表・見積で確認」という定型文のままです。定型文のレコードは、記事の代表例からも外しました。
この記事の表と件数は、2026年9月5日から9月21日までに確認した内容の積み上げです。確認日の分布は、9月5日が112件、9月7日が39件、9月11日が37件、9月17日が117件、9月18日が169件、9月21日が10件。価格改定やプラン統合は確認日の翌日にも起こるため、候補が数件に絞れた時点で、公式の料金ページを開き直してください。
一覧から自分の候補を絞る手順
サービス一覧ページでは、同じ絞り込みをその場で実行できます。AIサービス一覧を開き、絞り込み欄の「日本語表示」で「公式サイトに日本語ページあり」を選ぶと、484件だけが残ります。料金タイプの欄で「無料プランあり」を足せば、無料で試せる151件になります。用途で先に絞りたい場合は、一覧の「用途から探す」から入り、同じ2つの条件を重ねてください。
候補が3件ほどに絞れたら、比較ページで並べます。会議の録音を議事録にする用途ならNotta・Otter.ai・Fireflies.aiの比較、画像を作って公開用に仕上げる用途ならCanva・Adobe Firefly・Midjourneyの比較、転記と通知の自動化ならZapier・Make・n8nの比較が入口になります。読み比べる記事は、会議の録音から議事録を作る3サービスの選び方と文字入り画像を修正しながら仕上げる3サービスの選び方です。
動画を1本仕上げるところまで通したい場合は、小規模チームで短い動画を1本仕上げるに、素材と公開先から工程を決める順番と、各工程で使えるサービスがまとめてあります。日本語の字幕やナレーションが要る工程では、今回の表の音声・動画の制作65件が候補になります。
社内へ配る前に確認する4点
候補が決まったら、日本語ページの有無では分からない部分を担当者が実際に開いて確かめます。
- ログイン後の画面が日本語で表示されるか。メニュー、設定、エラー文の3か所を見ると、翻訳の範囲が分かります。
- 自社の原稿や録音を入れたとき、固有名詞と専門用語がどう出るか。社名、製品名、部署名を含む短い1件で試します。
- 商用利用と社内データの扱いが、日本語の利用規約で確認できるか。英語版しかない場合は、どちらが正文かを確認します。
- 問い合わせ窓口が日本語に対応しているか。対応時間帯と返信言語を、申し込み前に確かめます。
4点のうち1つでも英語のままなら、その部分を誰が引き受けるかを決めてから配ります。英語の画面を1人が担当し、現場へは日本語の出力だけを渡す形にできるなら、日本語ページがない1,757件も候補へ戻せるでしょう。日本語で読めるかどうかは、候補を減らすための最初の条件であり、使えるかどうかの結論ではありません。
参照リンク5件
2026年9月21日時点の公式資料を確認しています。仕様は更新される可能性があります。













