
2026年9月21日の公式料金ページでは、料金表の先頭に出る1時間0.129米ドルは、音声と文字起こしをモデルの改善へ使う許可と引き換えの33%引きと、月500時間を超えた分への20%引きを両方入れた金額でした。学習提供に入らず、月500時間も超えない場合の基準額は、録音ファイルの文字起こしで1時間0.24米ドルから0.75米ドルです。請求は秒単位で、最高精度のモデルなら月10時間で7.50米ドル、月50時間で37.50米ドルになります。月に扱う音声時間が決まっていれば、この単価表で自社の実額を出せます。単価と条件は、公式の料金ページと公式ドキュメントに出ている範囲です。
Speechmaticsの料金は音声1時間あたりの単価で決まる
Speechmaticsは、英国のSpeechmatics社が提供する音声認識のAPIです。録音した音声や配信中の音声を送ると、文字起こしが返ってきます。自社のアプリや社内の仕組みへ組み込んで使う想定で、画面付きの議事録サービスとは別の売り方をしています。
課金の単位は、送った音声の長さです。公式のよくある質問には、1時間あたりの単価をもとに秒単位で請求すると書かれています。42分の会議を1本送れば0.7時間分で、最高精度のモデルならおよそ0.53米ドルです。秒まで数える方式なので、短い音声を大量に送る使い方でも切り上げの端数が積み上がりません。
支払いはクレジットという単位で表示されますが、1クレジットは1米ドルです。請求書の金額とクレジットの残高が同じ数字で並ぶ設計になっています。
表示の1時間0.129米ドルに乗っている2つの割引
料金ページの先頭には「from $0.129/hr」と出ます。この数字を月額の見積もりへそのまま入れると、実際の請求と合いません。
料金表の上には切り替えが2つ並んでいて、ページを開いた時点ではどちらも入った状態です。1つ目は「Model Training」で、音声と文字起こしをモデルの改善へ使う許可を与える代わりに、文字起こしの単価が33%引きになります。2つ目は、月500時間を超えた分に自動で付く20%引きです。多言語向けのBatch Melia 1は割引前が1時間0.24米ドルで、両方を掛けると0.129米ドルになります。
月に10時間や50時間を扱う規模では、500時間の条件に届きません。学習提供にも入らないなら、見積もりに使う数字は割引前の単価です。年24,000時間からは、さらに別の割引を相談できると案内されています。
モデルと追加機能ごとの単価
文字起こしには、録音ファイルをまとめて処理する側(Batch)と、その場で文字にする側(Real-time)があります。精度の段も分かれていて、日本語と英語が混ざる音声を1本の文字起こしにまとめるMelia 1は、録音ファイル側だけで選べます。
| 用途 | モデルまたは機能 | 1時間あたり(米ドル) |
|---|---|---|
| 録音ファイルの文字起こし | Batch Melia 1(多言語混在向け) | 0.24 |
| 録音ファイルの文字起こし | Batch Standard | 0.45 |
| 録音ファイルの文字起こし | Batch Enhanced(最高精度) | 0.75 |
| その場での文字起こし | Real-time Standard | 0.45 |
| その場での文字起こし | Real-time Enhanced | 0.80 |
| 音声エージェント向け | Linden 1 | 0.30 |
| 追加機能 | 翻訳 | 0.65 |
| 追加機能 | 章分け | 0.40 |
| 追加機能 | 話題の抽出 | 0.20 |
| 追加機能 | 要約 | 0.12 |
| 追加機能 | 感情の判定 | 0.12 |
単価はいずれも割引を入れる前の値です。Linden 1は音声エージェント向けのモデルで、定価1時間0.40米ドルから25%引いた現行価格として案内されています。音声合成だけは時間ではなく文字数で数え、1,000文字あたり0.011米ドルです。
追加機能の単価は、文字起こしの単価へ上乗せされます。話者の切り分けと、固有名詞を登録する辞書には追加料金がありません。
月10時間と月50時間の実額
社内の会議を記録する担当が、1本42分の打ち合わせを録音して文字起こしする場合で計算します。1本は0.7時間なので、月10時間はおよそ14本、月50時間はおよそ71本にあたります。
最高精度のBatch Enhancedを選び、追加機能を使わないなら、月10時間で7.50米ドル、月50時間で37.50米ドルです。要約を全部の音声へ付けると1時間0.12米ドルが乗るので、月10時間で1.20米ドル、月50時間で6.00米ドル増えます。日本語から英語への翻訳まで付けると、月50時間で32.50米ドルが加わり、合計は76.00米ドルになりました。
精度の段をBatch Standardへ下げると、月50時間の文字起こしは22.50米ドルまで落ちます。月15米ドルの差をどう見るかは、固有名詞や専門語の直しにかかる人の時間と比べて決める話になります。同じ音声を両方のモデルへ通し、直した文字数を数えてから選ぶのが確実です。
学習提供の33%引きを入れると、Batch Enhancedは1時間0.5025米ドルになり、月50時間で25.13米ドルです。割引前との差は12.37米ドルでした。
学習提供の割引と引き換えになる保存条件
33%引きを選ぶかどうかは、金額とデータの扱いを一緒に見て決めます。公式の説明では、参加すると音声と文字起こしをモデルの改善へ使う許可を与えることになります。受け取ったデータの一部を保存して使う場合も、全部を使う場合も、まったく使わない場合もあると書かれていて、どれに当たっても割引は適用されます。既定は無効で、いつでも取り消せ、取り消した後の利用分から元の単価へ戻ります。音声合成には適用されません。
参加していない場合の扱いも公式に書かれています。その場で文字にする側の音声は保存されず、録音ファイル側のデータは7日で自動削除され、APIを呼べばそれより早く消せます。データはモデルの改善に使われません。
顧客の声や人事の面談のように、外部提供の可否を社内で説明できない音声を扱うなら、割引を外した単価で見積もってください。月50時間なら年150米ドルほどの差です。
無料の100米ドルのまま進めてよい条件と有料へ移る条件
新規アカウントには100米ドル分のクレジットが付き、登録時にカードは要りません。最高精度のBatch Enhancedなら約133時間、Batch Standardなら約222時間ぶんの文字起こしに相当します。同時に開けるリアルタイムの接続は2本までです。
試作と社内での検証はこの枠で終わる規模です。日本語の音声で固有名詞がどこまで拾えるか、話者の切り分けが会議の人数で崩れないかを、自社の録音で確かめてください。文字起こしは55以上の言語に日本語が含まれ、翻訳は69の言語ペアに日本語が入っています。公式サイトと管理画面は英語だけなので、日本語で読める案内は期待できません。
有料へ移るのは、クレジットを使い切る前にカードを登録する時点です。カードがないまま残高が0になると利用が止まります。請求は前月分を翌月1日にまとめる形で、米ドル建てです。カードを登録したPro段では、同時に開けるリアルタイムの接続が2本から50本へ増え、月500時間を超えた分の20%引きも申し込みなしで付きます。個別見積もりの相談になるのは、オンプレミスへ置きたい、同時接続の上限をなくしたい、年24,000時間の規模で割引を求めたい、といった条件が出てからです。
開発をせずに会議の議事録だけを手に入れたい場合は、画面付きのサービスのほうが近道です。音声・動画の条件表で無料枠と課金単位を並べて比べられます。Speechmatics自体の基本情報はSpeechmaticsのサービス詳細にまとめています。
参照リンク3件
2026年9月21日時点の公式資料を確認しています。仕様は更新される可能性があります。




