
2026年9月のGitHub Copilot 6モデル廃止を前に、モデル名の検索だけで終えず、明示指定、自動選択、既定ポリシーへの委任を分ける確認手順を整理しました。模擬8件では名前検索の6件に対し、選択経路の監査で7件の作業対象を特定しました。
2026年9月1日に廃止される6モデル
GitHubが示した代替候補は次の通りです。1
| 廃止予定モデル | GitHubが示した代替候補 |
|---|---|
| Gemini 3.1 Pro | Gemini 3.6 Flash |
| Claude Opus 4.5 | Claude Opus 4.7、4.8、5 |
| Claude Opus 4.6 | Claude Opus 4.7、4.8、5 |
| Claude Sonnet 4.5 | Claude Sonnet 5 |
| Claude Sonnet 4.6 | Claude Sonnet 5 |
| Raptor Mini | MAI-Code-1-Flash |
これは同じ出力を保証する対応表ではありません。モデルを変えれば、コードの差分、説明量、ツールの使い方、待ち時間が変わる可能性があります。代表タスクを切替前後で残す理由は、代替候補が使えることと、仕事の結果が同じことを分けるためです。
対応表は一度で終わらない場合もあります。Raptor Miniの代替候補とされたMAI-Code-1-Flash自体が、2026年9月10日にすべてのCopilot利用面で廃止され、MAI-Code-1.1-Flashへの移行が案内されました。5 2026年7月末の案内どおりに置き換えたチームは、9日後にもう一度同じ移行作業をすることになります。移行先を決めるときは、そのモデルの廃止予定も合わせて確認します。
Enterpriseの管理者は、代替モデルへのアクセスをモデルポリシーで有効にする必要がある場合があります。GitHubは、個人のCopilot設定で利用可否を確認し、VS CodeやGitHub.comのモデル選択肢に現れることを確認する手順を案内しています。1
未設定は固定された無効状態ではない
2026年8月26日から9月1日にかけて、GitHubはBusinessとEnterpriseへGlobal model policyを展開中です。これまで設定していなかったモデルはDelegate to default policyへ移り、既定ポリシーが有効なら利用者に提供されます。2
明示的に有効または無効へ設定した選択は維持されます。一方、委任は動的な状態です。管理者が既定値を変えると、委任しているモデルもその変更に従います。オープンウェイトモデルやデータ保持契約の対象外モデルには例外があります。2
設定を監査するときは、単に「有効か無効か」ではなく、次の四状態を区別します。
| 状態 | 選択する主体 |
|---|---|
| 明示的に有効 | そのモデルに対する管理者の設定 |
| 明示的に無効 | そのモデルに対する管理者の設定 |
| チーム、アプリ、Organizationへ委任 | 上位の設定 |
| 既定ポリシーへ委任 | Global model policy |
GitHubの日本語ドキュメントでも、未構成モデルの既定可用性はポリシーが制御するとされています。3
自動選択では使われたモデルを結果へ残す
Copilotの自動モデル選択は、タスクの複雑さ、システムの正常性と可用性、プラン、管理者ポリシーに応じてモデルを選ぶ仕組みです。利用可能なモデルは時間とともに変わり得ます。4
つまり、依頼文にモデル名がなければ影響がないとは言えません。昨日と同じAutoでも、今日の実行では別のモデルへ送られる場合があります。
使われたモデルは、応答ごとに確認できます。確認する場所は利用面ごとに異なります。4
| 利用面 | 使われたモデルの確認方法 |
|---|---|
| Copilot Chat | 応答へカーソルを合わせると表示 |
| Copilot CLI | ターミナルの出力へ表示 |
| クラウドで動くCopilotのエージェント | 応答の末尾へ表示 |
| GitHub Copilot アプリ | モデル選択欄へ表示 |
自動選択を使う代表タスクでは、入力と出力だけでなく、この方法で確認したモデル名も一緒に残します。
模擬8件を選択経路まで監査した
実験では、架空のCopilot利用記録8件を作りました。実際のCopilot、IDE、コードリポジトリには接続していません。
内訳は、モデル名の明示指定5件、自動選択2件、既定ポリシーへの委任1件です。明示指定のうち4件は廃止予定、1件は継続するモデル。自動と委任には、直近に観測したモデル名を付けました。
二つの監査を比べます。
- 名前だけの監査。設定名または直近モデルが廃止予定リストに一致するか調べる。
- 選択経路の監査。明示指定、自動選択、既定へ委任を分け、必要な作業を変える。
選択経路の監査では、明示された廃止モデルは代替候補へ変更します。自動選択は実行時モデルを記録して代表タスクを再実行。委任は管理者の既定ポリシーを確認してから再実行します。

名前検索の6件に対し7件で作業が必要だった
名前だけの監査は8件中6件を検出しました。廃止予定モデルが文字列として残っていたからです。
選択経路まで見ると、作業が必要な記録は7件でした。
| 必要な作業 | 件数 | 理由 |
|---|---|---|
| 明示モデルを置き換える | 4 | 廃止予定名を直接指定 |
| 実行時モデルを記録して再実行 | 2 | 自動選択でモデルが変わり得る |
| 既定ポリシーを確認して再実行 | 1 | 委任先の設定で可用性が変わる |
| 変更不要 | 1 | 継続モデルを明示指定 |
名前検索が見落とした1件は、直近に継続モデルを使っていた自動選択でした。廃止予定名はなくても、自動選択で利用できるモデル集合は変わり得るため、代表タスクの基準記録が要ります。
反対に、名前検索が拾った自動選択や委任を、すべて「モデル名を置き換える」と扱うべきではありません。選ぶ主体がCopilotや管理者ポリシーなら、利用者の作業は設定変更ではなく、実行時モデルの記録と再検証です。
この比較で扱ったのは模擬設定の分類だけです。廃止前後のモデル品質、速度、コード正解率は測っていません。
変更前に四列の棚卸し表を作る
チームで使う表は、次の四列から始めます。
| 利用面 | 選択方法 | 現在のモデルまたは委任先 | 代表タスク |
|---|---|---|---|
| VS Code Chat | 明示 | Claude Sonnet 4.5 | API変更の差分作成 |
| Copilot CLI | 自動 | 実行時に記録 | テスト失敗の原因説明 |
| GitHub.com | 既定へ委任 | Organizationの既定 | Issueから修正案作成 |
利用面には、Chat、インライン編集、agent mode、CLI、コード補完など、実際に仕事で使う入口を書きます。モデル名が空欄なら終わりではなく、自動か委任かの確定が必要です。
代表タスクは三つほどで十分です。短いコード補完、複数ファイルの変更、失敗したテストの説明など、チームの普段の仕事から選びます。公開前の機密コードを外部へ持ち出さず、普段のCopilot利用範囲と組織ポリシー内に限定します。
切替前後で残すのは点数だけではない
モデルの比較を一つの点数だけで表すと、違いの場所が分かりません。代表タスクごとに次を残します。
| 記録 | 確認すること |
|---|---|
| 使われたモデル名 | 明示、自動、委任の結果 |
| 完了または停止 | 仕事を最後まで進めたか |
| 変更ファイル数と主な差分 | 不要な変更を増やしていないか |
| テスト結果 | 動作条件を満たしたか |
| 人が直した箇所と理由 | 確認作業がどこに残ったか |
コードが動いても、不要なファイルを変えた案は採用外です。説明が長くなっても、原因特定が速ければ仕事には役立ちます。チームごとの採用条件は、切替前に言葉へ直しておきます。
変更後に悪化が見つかったら、すぐ別モデルへ移すか、タスクごとにモデルを分けるか、依頼文を直すかの判断が必要です。一度に全部変えず、まずモデルだけを変えた結果を残せば原因を追いやすくなります。
AIを選ぶ人から変更を管理する人へ
ここからは筆者の見立てです。モデルが短い周期で追加・廃止され、自動選択も広がると、開発者の役割は「一番良いモデルを選ぶ人」だけではなくなります。
新しく増えるのは、どの仕事がどの選択経路を通り、実行時に何が使われ、切替後に何が変わったかを追う仕事です。管理者もモデルを許可するだけでなく、明示設定と委任を区別し、代替候補を代表タスクで確かめる必要があります。
GitHubが示した代替候補は移行の出発点です。チームの完了条件は、利用可能になったことではなく、代表タスクが止まらず、テストと人の確認を通ったことに置きます。
次の廃止日はすでに決まっています。2026年9月10日のMAI-Code-1-Flashです。2026年9月1日の廃止当日に最初にすることは、リポジトリ全体のモデル名を置換することではありません。利用面、選択方法、現在のモデルまたは委任先、代表タスクの四列を一行埋めることです。その一行を作っておけば、次の廃止案内が来たときも、直接置換する設定、自動選択で記録する実行、管理者へ確認する委任を同じ手順で分けられます。



