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AIの文章から飾りを削るHumanizerで残したい数字と書き手の声

Humanizerによる日本語の推敲で、前置きや過剰な強調を整理しながら数字と条件や書き手の声を残す、という編集の目標を示す図

AIに告知文や説明文を下書きさせた後、内容は合っているのに、大げさな評価や長い前置きを直したくなることがあります。その編集方針をAIへ伝える指示書がHumanizerです。どんな表現を削り、数字や条件、書き手の気持ちはどう残すのか。架空の告知文、検索サービスの比較報告、個人メモを使い、普段どおりに改稿を頼む場合との違いを確かめました。数字や条件が保たれる一方、書き手の希望をAIが解釈して補う例もあり、文体だけでなく意味の確認も必要でした。

AIの下書きから何を削り何を残すか

社内の申請方法が変わるので、AIに案内文の下書きを頼む場面を考えてみます。伝えたいのは、いつから、誰が、どこへ申請するのかという情報です。そこへ「画期的な取り組み」「新しい時代への重要な一歩」といった説明が重なると、案内を受け取った社員は、自分が何を変えればよいのかを探しながら読むことになります。

原稿を整えるときは、こうした飾りを減らし、必要な情報を見つけやすくしたいところです。ただ、短くするだけでは困る場合もあります。金額の上限や対象外の条件まで省かれれば、申請方法を取り違えるかもしれません。個人の感想なら、迷いや不満を消してしまうと、書いた人の考えまで変わってしまいます。

AIへ「もっと自然に」「読みやすく」と頼む方法はありますが、その依頼だけでは、何を直してほしいのかを共有しきれません。前置きを短くしたいのか、根拠のない評価を削りたいのか、番号付きの操作手順を残したいのか。原稿の用途によって必要な編集は変わります。

GitHubでbladerが公開するHumanizerは、その編集の観点をまとめた指示書です。大げさな強調や定型的な言い回しを見直す規則を、手元のAIへ読ませて使います。こうした特定の仕事の進め方をまとめた指示書は「スキル」と呼ばれます。Humanizerの場合、文章を書き換えるのは普段使っているAIで、Humanizerは何を点検するかを伝える役割です。与えた原稿の表現を編集するための規則で、外部資料を調べて事実確認を済ませる機能ではありません。

知りたいのは、その指示書を加えると、普通に改稿を頼むときより、自分の用途に合った文章になるのかという点です。筆者は架空の告知文、検索サービスの比較報告、個人メモを用意し、同じAIへ通常の依頼とHumanizerを加えた依頼を送りました。削られた表現だけでなく、残った条件や文章の見せ方を比べます。

25の表現を点検する指示書

点検するのは25種類の表現です。たとえば、「単なる効率化ではなく」のように、原稿を読む人がしていない誤解を先回りして否定する対比、要点の前に置く長い前置き、具体的な事実を伴わない重要性の強調、同じ形の箇条書きが続く段落などです。単語の置き換えだけで済ませず、段落の組み方も見ます。

改稿は、表現の癖を探し、書き直し、元の主張と照合してから最終稿を出す流れです。名前、数字、日付、引用、出典を勝手に補わず、元の主張が落ちていないか確認するよう指示しています。

指示書を読むと、AIがどんな観点で原稿へ手を入れるかを先に確認できます。「自然にして」という依頼だけでは、丁寧に言い換えるのか、大げさな段落ごと削るのかが曖昧です。Humanizerは、その判断に使う観点を文章で見せています。Humanizerを使う人は、指示書を先に読んで、自身の編集方針と合わない規則を見つけられます。

入力で根拠なしと伝えた評価を削った

比較したのは、日本語の検証結果、告知、個人メモの3種類です。2026年9月22日、Humanizer 3.0.0の指示書を使い、AI作業ツールCodexの同じモデル(gpt-6-astra)へ、各原稿を通常の依頼とスキル付きの依頼で1回ずつ送りました。会話は毎回分け、検索やファイル操作をさせず、文章だけを返す条件に揃えています。各条件1回なので、日本語全般や別のAIにも同じ変化が出ると示す比較ではありません。

「専門家も、革新的な未来に向けた重要な転換点だと評価しています」。検証結果の末尾に、この一文が付いていたらどう直すでしょうか。表現を落ち着かせるだけでは、誰の評価なのかという疑問が残ります。

筆者は架空の検索サービスの検証文を作り、普通に読みやすくする依頼と、Humanizerの指示を加えた依頼を比べました。原稿では、既存の検索方法を「従来版」、新しい検索方法を「試作版」と呼んでいます。入力には「社内の架空FAQ30問」と書き、社内でよくある質問を30問用意した設定にしました。そのうち根拠を正しく示せた数が従来版21問、試作版25問だったことと、末尾の専門家評価を裏付ける資料がないことを明記しました。

入力にはさらに、質問を作った担当者が採点したこと、どちらの版かを伏せずに比較したこと、回答時間は未測定で、2026年10月に試験運用を予定しているものの、具体的な実施日は未定という条件も含めました。また「試作版の導入効果がすべての部署で確実に得られることを意味するものではありません」という注意書きも、元の入力に含めました。採点者が比較対象を知っていると、期待する結果へ評価が偏る可能性があります。数字が良くなったという説明だけに書き換わらず、こうした比較の条件が残るかを見るためです。

この専門家評価に根拠がないという情報は入力済みです。外部を調べて真偽を判定する実験ではなく、与えた原稿をどう編集するかを比べています。

通常の依頼では、評価の存在と、その評価に根拠がないという説明を両方残しました。回答の末尾は次のとおりです。

新しい検索方法が業務を劇的に変える可能性や、「革新的な未来に向けた重要な転換点だ」という専門家の評価にも言及されています。ただし、今回の検証で業務への効果が確認されたわけではなく、専門家の評価を裏付ける資料もありません。

Humanizerを加えた回答は、入力で裏付ける資料がないと伝えた専門家評価そのものを削りました。数字と検証の条件から始まる、回答の全文を示します。

社内の架空FAQ30問で新しい検索方法を検証したところ、根拠資料の該当箇所を正しく示せたのは、従来版が21問、試作版が25問でした。

ただし、質問を作った担当者が採点しており、どちらの版かを伏せた比較ではありません。回答にかかった時間も測定していません。今回の結果だけでは、すべての部署で同じ導入効果が得られるとは言えません。

2026年10月の試験運用で、実際の問い合わせでも同じ差が出るかを確かめる予定です。具体的な実施日は未定です。

Humanizerを加えた回答には、質問を作った担当者による採点と、従来版・試作版を伏せない比較の条件、回答時間が未測定であること、試験運用日が未定であることも残りました。

通常の回答が352字、Humanizerを加えた回答が221字でした。結果から始まり、根拠のない評価を説明する文が減っています。ただし、評価に裏付けがないことは入力で教えています。Humanizerが外部を調べて評価の真偽を判断した結果ではありません。

入力文で根拠がないと明記した専門家評価を削り、従来21問と試作25問、採点条件、回答時間未測定、実施日未定を残した1回答の要約図
図を拡大図を拡大
図はHumanizerを加えた条件で返った1回答の要約です。21問と25問は、入力文にある架空の検索方法2種類の評価値で、Humanizer自体の性能値ではありません。入力で裏付けがないと明記した専門家評価が削られ、数字と条件が残りました。

告知では手順の見せ方まで変わった

数字が保たれるだけでは、仕事に使いやすい文章になったとは言い切れません。架空の備品申請の告知では、2026年10月1日から申請先を変えること、税込3万円未満が対象で3万円以上は従来の稟議が必要なことを入力しました。変更前に受け付けた申請は出し直さなくてよい、という例外もあります。

通常の依頼は「意味を保って読みやすい日本語へ書き直してください」とし、もう一方には同じ依頼と原稿にHumanizerの指示書を加えました。両方の回答で、日付、金額の境界、例外は残りました。申請する社員が画面を見ながら操作する場合には、手順の見せ方にも注目したいところです。通常の回答では、次のように番号が付きました。

  1. 社内ポータルで「備品フォーム」を開く
  2. 品名と金額を入力する
  3. 領収書を添付して送信する

Humanizerを加えた回答では、次の一文になりました。

申請の際は、社内ポータルで「備品フォーム」を開き、品名と金額を入力して、領収書を添付のうえ送信してください。

比較した箇所通常の依頼Humanizerを追加
手順の形フォームを開く、入力する、添付して送る、の番号付きリスト同じ順序を一文にまとめる
全体の長さ256字220字

Humanizerの回答は短くなりましたが、社員が画面を見ながら初めて申請するなら、通常の回答にあった番号付き手順も有用です。筆者なら、変更の告知を短く読む用途には文章の形を使い、操作案内として配る場合は番号付き手順を残します。

また、Humanizerを加えた回答にも、手順の後に「申請を効率よく進め、手続きの透明性や使いやすさを高めるための変更です。ご協力をお願いいたします。」という結びが残りました。スキルを読ませれば定型表現がすべて消える、という結果でもありません。原稿の用途に合わせて、残したい形式まで依頼する方がよさそうです。

書き手の迷いは残せるか

個人メモには、作業用アカウントの通知を1日4回のまとめ表示に変えて助かった一方、確認依頼を読むのが2時間遅れた、という相反する感想を入れました。メモの書き手が自身の作業用アカウントだけで試し、同僚にはまだ勧めていないという設定です。原文の締めくくりには「集中とつながりの再設計」という抽象的な言い回しを使いました。両方の条件に「意味と本人の語り口を保って読みやすい日本語へ書き直してください」と同じ依頼を送り、片方にだけHumanizerの指示書を加えました。

通常の回答の冒頭と、後半の感想には、次の表現が残りました。

先に正直に言うと、通知が減ったのは助かった。

この変更は、単なる効率化ではなく、集中する時間と人とのつながり方を見直すことなのだと思う。

Humanizerを加えた回答では、「先に正直に言うと」という導入と、「単なる効率化ではなく」という対比表現が削られました。回答の全文は次のとおりです。

通知が減ったのは助かった。2026年9月15日から9月19日まで、自分の作業用アカウントだけで、通知を1日4回にまとめて表示する設定を試した。通知は以前の平均24件から、試している間は平均9件に減った。

ただ、金曜の確認依頼を読むのが2時間遅れたのは困った。数字が良ければそれでいい、とは割り切れない。自分の作業に集中しながら、ほかの人からの連絡にも気づけるようにしたい。来週は、確認を頼まれた通知だけ別に出してみたい。まだ同僚には勧めていない。

通知が平均24件から9件へ減った数字と、1日4回にまとめた設定、確認が遅れた不都合、まだ勧めていない立場は残りました。成果を強調して終わる文章にはしていません。

一方、「集中とつながりの再設計」という原文の表現は残らず、「自分の作業に集中しながら、ほかの人からの連絡にも気づけるようにしたい」という具体的な希望が書かれました。その希望を直接述べた文は、元の入力にはありません。通知が減って助かったことと、確認が遅れて困ったことから、AIが書き手の希望を解釈して補った表現です。筆者には読みやすく見えますが、書き手がその解釈を受け入れるかは別に確認する必要があります。実際の原稿で使う場合、書き手が意図していない理由まで加わっていないかは、数字の照合だけでは判断できません。

Humanizerの指示書には、使う人が自身の過去の文章を例として渡し、その文体を改稿の参考にさせる方法も書かれています。今回の比較では、両方の条件とも過去の文例は別に与えていません。文例を加えた場合の効果は未確認です。

自分の下書きで試すときの見方

今回使ったのは、2026年9月22日に取得したHumanizer 3.0.0の指示書です。CodexというAI作業ツールから、モデルIDがgpt-6-astraのAIへ、架空の日本語3種類を通常の依頼と、Humanizerの指示書を加えた依頼で、それぞれ1回送りました。すべて最終稿だけを返すよう揃え、文章以外の操作はさせていません。

回答の速度は比較していません。

通常条件では架空の原稿と改稿の依頼文を渡し、Humanizer条件では同じ内容にHumanizerのSKILL.md全文を加えました。Humanizerの指示書は各試行に一度ずつ渡し、別の会話でも自動的に読み込ませる設定はしていません。少数の入力を一度ずつ試した結果なので、日本語全般の改善率や、ほかのAIでの効果は示していません。

自分で試す場合も、まずHumanizerのGitHubリポジトリにあるSKILL.mdを読み、同じ短い原稿を通常の改稿依頼とHumanizer付きの依頼でそれぞれ1回送り、返ってきた文章を比べます。自分の原稿での違いを見る試し方であり、一般的な改善率を測るものではありません。Humanizerの指示書はMITライセンスで公開されています。入力データの保存や利用については、使うAIサービスの規約を別に確認してください。手軽に比べるなら、SKILL.mdの内容と短い原稿をAIの会話へ貼り付け、改稿した文章を返すよう依頼できます。元の原稿を保存したファイルは書き換わりません。

一方、ファイルを編集できるAIへ原稿の書き換えを依頼する方法もあります。その場合は元のファイルに変更が入るため、最初は別のコピーで試すと比較しやすいでしょう。

依頼には、用途と変えてはいけない部分を添えます。

入力例text
この原稿をHumanizerの指示で整えてください。
社員が操作しながら読む案内です。番号付きの手順は残してください。
日付、金額の境界、対象外の条件、未確認の事項は変えないでください。
最終稿だけを返してください。

返ってきた文章では、数字と条件、増えた主張、書き手の気持ちを元の原稿と照合します。通常の改稿で十分な原稿もあります。今回Humanizerをもう一度使いたいと感じたのは、重要そうな言葉が重なり、具体的な結果を見つけにくくなった原稿でした。操作手順や本人の迷いまで一律に削らせず、どの表現を直してほしいのかを指定して使うのが合っています。

参照リンク3件
  1. bladerHumanizerの概要と使い方
  2. bladerHumanizerの編集規則
  3. bladerMITライセンス

2026年9月22日時点の公式資料を確認しています。仕様は更新される可能性があります。

この記事はここまで091

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